2009年11月3日火曜日
唱歌 「故郷」の疑問が解けた日
日光市の山深いところで育った私は幼かったころに古ぼけた雑音だらけのラジオから流れてきた「故郷」の歌詞「兎追ひしかの山 小鮒釣りしかの川・・・」を聞きその後ずーと今日に至るまで私の体験と同じだと思い続けてきました。しかし、私が幼かったころ釣った魚は「鰍(かじか)や山女(やまめ)」で私の住んでいた山里の清流には小鮒は住んではいません。「小鮒釣りしかの川」の詩だけは納得出来ずにいました。
10月24日の朝日新聞の特集記事を読んで長年の疑問がいっぺんに解けました。「故郷に歌われた風景は、長野県の永江村(現・中野市)だという。作詞した国文学者の高野辰之(1876~1947)が幼いころを過ごした土地。・・(途中省略)・・高野辰之記念館の高野源・元館長は「これが(かの川)です。」と教えてくれた川は千曲川に注ぐ清流でありカジカやヤマメなどしか住まない。歌詞にある「小鮒」は住まない。と記者が疑問を投げかけると高野源・元館長は「日本では一般的に釣りとなるとフナが思い浮かぶため唱歌ではフナにしたのでしょう」と答えられたと書かれていました。
私が想像したようにやはり「小鮒」ではなく「ヤマメやカジカ」だったのです。65歳の今日に至るまで疑問を抱いていた問題が解決しました。幼いころの経験や覚えた事象で不思議な疑問や悩みを持ったまま年齢を重ねることは誰にでもある経験かもしれません。私の妻もこの歌詞にある「兎追いし」を「兎美味し」と私と結婚し私の田舎での経験を話すまで誤解して覚えていました。
唱歌 故郷 作曲:岡野貞一 作詞:髙野辰之
兎(うさぎ)追いし かの山
小鮒(こぶな)釣りし かの川
夢は今も めぐりて
忘れがたき 故郷(ふるさと)
如何(いか)に在(い)ます 父母(ちちはは)
恙(つつが)なしや 友がき
雨に風に つけても
思い出(い)ずる 故郷
志(こころざし)を はたして
いつの日にか 帰らん
山は青き 故郷
水は清き 故郷
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