下級審では罰金20円の判決となりました。治まらないのは権平さんは勿論村人たちでした。上級審に上告して争いました。
この裁判は全国的な話題になり大騒ぎとなりました。動物学者や言語学者もはせ参じて大論争となりました。
大審院判決は「権平さんはムジナを捕まえた」のであり「タヌキは捕まえていない」との大岡裁きとなり「無罪」となりました。
栃木県を始め地方の田舎の当時の認識は「タヌキ」と「ムジナ」は別な動物と思われていました。めでたしめでたし。 おわり。
当時「ムササビ」と「もま」も同じように別な動物と思われていた地域があり同じように裁判となりましたが「もま」は極狭い範囲の呼称であるとの見解で有罪となっています。
法学部の学生はこの判例を学ぶ機会多いようです。動物や野鳥などの名前は地方により方言があったり滅多に目にしない生き物は想像上で名がつけられたために実名と実在しない想像上の名前が違う場合があります。
「ブッポウソウとコノハズク」、「ヌエとトラツグミ」、「シュジュウカラとホオジロ」などなど。
(判決要旨)大審院判決では、タヌキとムジナの動物学的な同一性は認めながらも、その事実は広く(当時の)国民一般に定着した認識ではなく、逆にタヌキとムジナを別種の生物とする認識は被告人だけに留まるものではないために「事実の錯誤」として故意責任阻却が妥当であること、またこれをタヌキだとしても、タヌキの占有のために実際の行動を開始した2月29日の段階において被告人による先占が成立しており、同日をもって捕獲日と認定する(つまり狩猟法がタヌキを捕獲を認めている期限内の行為)のが適切であるとして被告人を無罪とした。
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