2008年11月7日金曜日

我が人生と登山


「山遍路旅」と称して山登りを続けている私ですが思い起こせば日光市の山深い所で貧しく生まれ育ち上昇志向を胸一杯に高校を卒業し無謀にも東京の丸の内に就職しました。学力も処世術も劣る私がビジネスの最先端で体力と馬力で世渡りができる筈もなく敢え無く約12年のサラリーマン生活から撤退しました。

中学生の頃から始めた登山と陸上長距離競技で培われた体力と馬力はその後の私の人生に大きく影響を与えたように思います。サラリーマン時代には頭脳や知能のスピードが恐ろしく早く私の能力では追い付いては行けませんでした。

マラソンや登山は右足を前に出し次に左足を前に進めれば確実に前進します。相対的なスピードを要求されこともなく絶対的なスピードで歩めば事足りる場合が多いのです。

どんなに高い山でも42・195mのマラソンコースでも途中で諦めなければ山頂やゴールに到着します。登山中に時々歩いてきた縦走路を振り返りこんな長い距離を歩いたのかと驚くことがあります。人間の歩くスピードは微々たる速さですが偉大なものなのです。

60歳の頃から我が人生を振り返り失敗だらけな道でしたが延々と歩き続けた長い道程も無駄ではなかったのではと思っています。現在の世の中は猛烈なスピードで世界が動いています。私が若いころのように「一生懸命に努力」すれば報われる時代では無くなってしまったようです。

煩悩は108あるそうです。登山やマラソンのお陰で少しは私も煩悩がそげ落ちてきたように思います。我が二本の足を交互に進める歩行が私の巡航速度なのです。この速さで歩んで行きます。

写真はヒマラヤのカンチェンジュンガBCパンペマと八ヶ岳の赤岳山頂

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