2008年11月8日土曜日
峠
少年時代に田舎で冒険心いっぱいに越えた隣村への峠路、サラリーマン時代に越えた幾多の苦難の精神的な峠路、ペンション開業後の数々の障害を越えた峠路。ヒマラヤで高所障害に苦しみながら超えた4000mのモーン峠。日本アルプスの山々で苦楽を味わいながら超えた幾多の峠路。
司馬遼太郎の名著「峠」には幕末に長岡藩の家老「河井継之助」が新政府軍である官軍と負け戦を覚悟で壮絶な戦いを挑み散る行く長編小説である。江戸に向かう峠路である「六十里峠」が半年間雪に閉ざされるハンデキャップを如何にして克服出来るかを考え藩の財政を倹約し藩校を開設し教育を充実し軍備を整え新政府の理不尽さに立ち向かう物語です。
峠越えは人々にまだ見ぬ未知の世界にロマンを感じさせるものがあります。人生の分水嶺でもある。苦労して越える先に何かがある。現状を変化させるには峠に立ち向かわなければならない覚悟がいる。峠の頂に立った時の喜びはなんだろう。
私が好きな峠路も現在ではトンネルが開通したり山肌を削り開通した車道に変化してしまい昔のロマンが消えてしまいました。
栃木県と群馬県の県境の「金精(こんせい)峠」、尾瀬の入口の「鳩待(はとまち)峠」新潟県の魚沼地方の「枝折(しおり)峠」山梨県と長野県の県境の「北沢峠」など私の思いで深い峠路が消えてしまいました。
私も人生の峠路を随分前に越えて今は下り坂を静かに下りています。願わくば小春日和の穏やかな日々が続くことを祈っています。
写真は仙水峠、白鳳峠、ヒマラヤモーン峠付近
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