
八ケ岳山麓でも1960年代までは盛んに炭焼きが行われていて森林鉄道や馬車などで良質な炭が出荷されていたようです。また蕎麦も焼畑後に種を蒔き初夏と秋の2回の収穫ができ集落の人々の食料や貴重な現金収入になっていたようです。森林を伐採し林業や農業で生計を立てる方法は誤りなのでしょうか?
いいえ、炭焼きや焼き畑は自然環境に配慮された理にかなった方法なのです。「今年はこの沢からあの古木の栗の木まで伐採し炭を焼こう」来年は「この栃の木からあの尾根までにしよう。」と林業に携わる人々は少ない面積を何年もかけて伐採し炭を生産し約60年もすれば元の場所に戻り再び伐採できる雑木林に成長していたのです。
産業構造の変化を別にしても高度成長に突入した日本経済の中では少ない面積から生産される炭の販売金額では「カローラやテレビ」は購入できなくなってしまったのです。そのため大量かつ大きな面積を一度に伐採するため雑木林の成長が追いつかなくなり自然環境が破壊されてしまったのです。現在問題になっているアマゾンや東南アジアの焼畑農業も同じ構造です。先に豊かになった先進国の人々が「森林を保護しよう」などと声高に叫んでもそこに暮らす貧しい(貨幣価値では)住民には説得ある説明にはならないのです。悪いのは生産方法ではなく人間の精神構造なのです。極度に発達した貨幣経済の弊害です。
最もこの問題は炭焼きや焼き畑ばかりに限ったことではありません。人間の持つ限りない「欲望」が犯人なのです。60歳を過ぎても「煩悩」を捨てきれずに右往左往している私もその一人ですので偉そうなことは言えません。暇を見つけて「山遍路」に出かけよう。(写真は古い炭窯跡)http://www5a.biglobe.ne.jp/~nemunoki/
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